TOP Conditioning Journal Conditioning Magazine 【シェフ・米澤文雄】不規則な生活だからこそ「小さなサインを見逃さない」 身体と対話したコンディショニング術

【シェフ・米澤文雄】不規則な生活だからこそ「小さなサインを見逃さない」 身体と対話したコンディショニング術

2024.04.11

スポーツ・ビジネス・アート・カルチャーなど各分野で挑戦を続けるプロフェッショナルが、自分の身体にどのように向き合い、どのようにポテンシャルを発揮しているのか。ご自身のライフスタイルで実践されている「コンディショニング※」についてお伺いします。

※TENTIALが定義するコンディショニングはライフパフォーマンス向上のために、体調に関わる全ての要因を良い状態に整えること

不規則な生活サイクル

 

─ 米澤さんは、ライフスタイルの中でコンディショニング(健康維持)についてどのくらい意識していますか?

ここ最近は年齢のこともあって、考えざるを得なくなってきていますね。私は1980年生まれで今年44歳になるのですが、37歳くらいからなんとなく身体の調子が変化し始めている気がしていました。それが40歳を超え、去年か一昨年あたりから老眼も始まって。ただ「老眼」という言葉が好きではないので、勝手に「ヴィンテージアイ」と呼んでいるのですが。

─ 「ヴィンテージアイ」、素敵なネーミングですね(笑)。

血圧も少し高めになってきています。20代の頃とは違い、身体の色々なところに負荷がかかっていますね。それもあり、2年くらい前から週1でパーソナルトレーニングに通い、主に自重での筋トレをしたり、お店にも「懸垂ハンドル」を持ち込み暇な時にぶら下がったり(笑)。今年に入ってからはランニングも始めました。

ただ仕事柄、家に帰るのが遅いんですよ。昨日もお店が終わって片付けをしたら午前1時過ぎ。帰宅してなんだかんだしていたら寝るのが3時、早くても2時とかになってしまう。僕ら飲食店の生活サイクルは、身体に良くないんです。

─ お店のシェフ以外にも、さまざまなお仕事をされていますよね?

はい。レストランやホテルのメニュー開発や、コンセプト立案などコンサルティング的なことをはじめ、最近では三重県が主催する「みえガストロノミー」で、三重の食材を使ったレシピ開発や、飲食店の方たちに向けた講義などのイベントにも参加しました。雑誌の特集や、レシピ本も3冊ほど出しています。

社会福祉的な活動としては、ご病気や障害を持つ子どもとそのご家族が利用できる「ドナルド・マクドナルド・ハウス」という滞在施設でレシピを考え発注し、調理指導をしながら50名様分の食事を提供するということも、コンスタントに行なってきました。この店でも午前中の時間を完全貸し切りにして、同じような取り組みを行うこともあります。

─ 確かに、その仕事量でルーティンを作るのは大変そうですね。

そうなんです。今年半期からは、なるべく昼間の仕事を入れないようにして。その時間に身体を動かしたり、睡眠をしっかり摂ったりできるライフスタイルにシフトしていきたい。そのためには仕事の価値を上げていく必要もある。たくさん数をこなして稼ぎを上げていくのではなく、クオリティの良い仕事で収益を得るようにしたいとは思っています。

 

「小さなサインを見逃さない」

 

─ そんな中、コンディショニングのために気をつけていることは?

「小さなサインを見逃さない」ということ。「あれ、今日は風邪っぽいかな?」「最近ちょっと疲れ気味だな」みたいに感じるときがあって。そんな時は、懸垂がいつもより上がらなかったり、ランニングしていても全然進まなかったり。そういう「サイン」が出ている時には、ちょっと詰め過ぎの予定の中で省けるものを省いたり、食事も普段より気をつけたりしていますね。

─ 例えば?

僕は食事を摂る時間帯も量も、ものすごい不規則なんですよ(笑)。シェフ以外の仕事もしている関係上、色々な業種の方々と食事に行く機会も多いですしね。なので、私生活で自分の食事をコントロールできる時は、できる限りヘルシーに、できる限り軽くしています。例えばサラダやスープだけにしたり、僕はお味噌汁が好きなので、野菜を買ってきて具沢山のお味噌汁を作ったり。

「発酵食品を食べるよう心がけている」というよりは、「発酵食品が好きだから結果的に摂っている」という感じですね。「寝かせ玄米」もそう。玄米を圧力釜で炊いて保温ジャーで時々かき混ぜながら48時間寝かせると、玄米が発酵の力によってモチモチになるんですよ。玄米はすごく栄養価が高、美味しく食べられる。ちょっと塩をかけて食べると、白米の炊き立てご飯よりも美味しいくらいです。家で作っていた時期もあったのですが、ちょっと手間だし今はパックのものを購入して食べています。

─ 質の良い睡眠を取るために心がけていることはありますか?

僕は、横になれば一瞬で眠りにつけるくらい「のび太」なんですよ(笑)。1週間の半分以上は、「寝よう」と思って電気を消し、横になった2秒後以降の記憶がない。どこでも寝られるのは特技だと思っているし、逆に10分も寝られないでいると心配になりますね。

その辺にあるTシャツとショートパンツで寝ているので、パジャマもこれまでほぼ気にして買ったことがなくて。今回、TENTIALさんのBAKUNEを着させてもらい、めちゃめちゃ柔らかくて驚きました。柔らかいし暖かいし、包み込まれているような着心地も最高で、毎日着ています。

── 色やデザインはいかがですか?

僕はモノトーンや青を好んで着ているので、BAKUNEも好みにぴったり。仕事柄、国内外への出張が多く、飛行機に長時間乗るとなると、着る物もすごく重要になってくるんですよ。ちょうどいい感じのスウェットをずっと探していたのですが、BAKUNEを着てみて「これだ!」と思ったので、早速次の出張時にはぜひ着て行こうと思って今から楽しみにしています。

 

一番大事なのは調味料

 

── 他にTENTIALのアイテムで気になったものはありますか?

BAKUNE MAKURA(枕)やBAKUNE COMFORTER(掛け布団)はとても気になっていますね。特に枕は、自分で高さを調整できるのはポイント高いです。実は、これまで5種類くらい購入して試したんですよ。ストレートネックなので枕は重要。あまりにも色々と買いすぎたので、妻には「もう二度と枕は買わないで」と釘を刺されていますけど(笑)。立ち仕事なので、インソールも気になります。かなりいろんな種類があるのですね。入浴剤は、妻が喜んでいました。

ただ、あまり楽なものばかり着ないよう気をつけています。去年までは、着やすくて軽くて楽な服を好んでチョイスしていたのですが、この調子でいくとダメになる(笑)、今年はなるべくブーツを履くようにしています。そうすると気持ちも身体も引き締まるんです。ちょっと面倒くさいものを着たり、ちょっと面倒くさいことをあえてしたり。スーツも最近はオーバーサイズでストレッチが効いているものが多いじゃないですか。でも、ちゃんと仕立てたスーツを着ることも大事ではないかと。職業柄、冠婚葬祭以外でスーツを着てネクタイを締める機会もほとんどないんですけど(笑)。そういう機会を作るなど、家での生活とのメリハリは今後も考えていきたいですね。

── コンディショニングを整え、仕事とライフスタイルを充実させたいと思っている人へメッセージをお願いします。

日本の食文化を支えているいちばんのポイントは調味料なんです。醤油、お酢、味噌、塩、油、味醂。これが特に大事な調味料ですが、実はここを最も軽視しやすい。こだわっていいものを購入した方がいいと思います。そこの単価って、単体だと5倍くらいになるけど、200円が5倍になっても1000円ですから。しかも買い足しはせいぜい月1じゃないですか。

── 確かに。

塩も、精製塩を1キロ150円で買うのか、ちゃんとした海水塩を1キロ1500円で買うのか。それをどのくらいで使い切るかを考えたら、そんなにコスパも悪くない。いくらオーガニックの食材を買っても、調味料に添加物が入っていたら一緒。特に子育てをしている家は家計へのダメージなほぼないですし、基礎調味料が違うと料理も良くなり生活がちょっと豊かになりますよ。

米澤文雄・シェフ

2002年に渡米し、ミシュラン三ツ星常連の高級フレンチ「Jean-Georges」本店(ニューヨーク)で日本人初のスーシェフに就任。帰国後の2018年、東京・青山にある熟成牛肉の炭火焼「The Burn」のエグゼクティブ・シェフに就任。他にも国内の名店で料理長を歴任し、2022年に東京・西麻布のレストラン「No Code」を開業。レストラン運営にとどまらず食育や商品開発など幅広い分野で活躍している。

一覧へ戻る

Contact Us

製品・弊社サービス、メディアに関するお問い合わせ、ご相談はこちら